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未成年者控除・障害者控除・相次相続控除
未成年者控除・障害者控除・相次相続控除
申告書に記載するだけで使える3つの控除
これら3つの控除は「算出税額から直接差し引く」税額控除です。基礎控除(財産から引く)とは異なり、計算された税額そのものを減らします。申告書に記載するだけで自動適用され、要件を満たす場合は必ず活用しましょう。
① 未成年者控除
未成年者控除
18歳未満の相続人の税額を年齢分だけ引く
控除額 = (18歳 − 相続時の年齢) × 10万円
未成年者控除額を計算する
相続時の年齢
歳
控除額:100万円(18−8=10年分×10万円)
対象者:相続開始時点で18歳未満の法定相続人。2022年4月以前は20歳未満が対象でした。
控除額が算出税額を超える場合:超えた分は扶養義務者(親など)の税額から差し引くことができます(控除しきれない場合)。
過去に未成年者控除を使ったことがある場合:前回の相続での控除額を差し引いた残額のみ適用できます(二重控除の防止)。
制限納税義務者(日本に住所がない相続人)は適用できない場合があります。海外在住の子が相続する場合は事前確認が必要です。
② 障害者控除
障害者控除
障害のある相続人の税額を85歳まで年齢分だけ引く
一般障害者:(85歳 − 相続時の年齢)× 10万円
特別障害者:(85歳 − 相続時の年齢)× 20万円
特別障害者:(85歳 − 相続時の年齢)× 20万円
障害者控除額を計算する
相続時の年齢
歳
障害の区分
控除額:300万円(85−55=30年分×10万円)
一般障害者:障害者手帳(1〜6級)・精神障害者保健福祉手帳(2〜3級)・療育手帳など
特別障害者:障害者手帳(1〜2級)・精神障害者保健福祉手帳(1級)・重度の知的障害・常に介護が必要な方など
控除額が算出税額を超える場合:超えた分を扶養義務者の税額から差し引けます(未成年者控除と同様)。
過去の相続で控除を使った場合:前回の残額のみ適用可能。
障害者手帳がなくても、医師の診断書等で「特別障害者」に該当することを証明できれば適用できる場合があります。税理士に相談しましょう。
③ 相次相続控除
→
→
相次相続控除
10年以内に2回相続が発生した場合に前回の税額を控除
相次相続控除が使えるケース
A(被相続人の親など)
が死亡
→
が死亡
B(被相続人)
が相続
が相続
相続税を納付
10年以内
→
B(被相続人)
が死亡
が死亡
C(相続人)
が相続 ← 控除適用
が相続 ← 控除適用
BがAから相続した財産にかかった相続税の一部を、CがBから相続する際の税額から控除できます。短期間に同じ財産に何度も課税されることを防ぐ制度です。
控除額 = B が A から相続した時の相続税額 × C が取得した財産 / B の相続開始時の純財産 × (10 − 経過年数)/ 10
経過年数による控除割合
| 1年以内 | 2年以内 | 3年以内 | 4年以内 | 5年以内 | 6年以内 | 7年以内 | 8年以内 | 9年以内 | 10年以内 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 100% | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | 40% | 30% | 20% | 10% |
相次相続控除の概算を計算する
Bが納付した相続税額
万円
前回の相続からの経過年数
Cが取得した財産の割合
%(Bの全財産のうちCが取得した割合)
控除額(概算):150万円
対象者:BからCへの相続が、AからBへの相続から10年以内であること
Cは法定相続人でなくても適用可能(遺言による受遺者も対象)
BがAから相続した際の相続税の申告書・納付書が必要なため、書類の保管が重要
Bが相続税を納付していない場合(基礎控除以内などで非課税だった場合)は、控除額がゼロになります。過去の申告書を確認してから適用を検討しましょう。
3つの控除 比較早見表
| 控除の種類 | 対象者 | 計算式 | 最大控除額 | 控除方法 |
|---|---|---|---|---|
| 未成年者控除 | 18歳未満の法定相続人 | (18−年齢)×10万円 | 180万円(0歳) | 算出税額から直接控除 |
| 障害者控除 | 障害のある法定相続人 | (85−年齢)×10万円 or 20万円 | 特別障害者:1,700万円 | 算出税額から直接控除 |
| 相次相続控除 | 10年以内に2回相続のあった相続人 | 前回税額×割合×(10−経過年数)/10 | 前回税額の100%(1年以内) | 算出税額から直接控除 |
これら3つの控除は申告書を提出するだけで適用される税額控除です。控除額が算出税額を超えた場合、未成年者控除・障害者控除は扶養義務者の税額から差し引けます。相次相続控除は超えた場合は切り捨てです。
よくある疑問
未成年者控除と障害者控除は同時に使えますか?▶
はい、同一の相続人が両方の要件(18歳未満かつ障害者)を満たす場合は、両方の控除を合算して適用できます。例えば10歳の特別障害者の場合、未成年者控除80万円(18−10×10万円)+障害者控除1,500万円(85−10×20万円)=合計1,580万円を算出税額から控除できます。
障害者控除の控除額が算出税額を超えた場合はどうなりますか?▶
控除しきれない分は、その相続人の扶養義務者(配偶者・親・子・兄弟姉妹)の相続税額から差し引くことができます。ただし扶養義務者も相続人であることが必要です。扶養義務者が複数いる場合は、各人の協議で控除額を振り分けることができます。
相次相続控除を使うために必要な書類は何ですか?▶
前回(AからB)の相続税申告書の写し・相続税の納付書(または領収書)が主な必要書類です。前回の申告から10年以上保管する必要があります。書類が紛失している場合は、税務署に「申告書等閲覧サービス」を利用して確認することが可能です(事前予約が必要)。
相次相続控除は10年以内であれば何回でも使えますか?▶
10年以内の相続ごとに適用できます。ただし3回以上の連続相続(A→B→C→D)の場合、CがAからBへの相続で相次相続控除を受けていれば、DもCからの相続で同様に適用可能です。複数の相次相続が重なる場合は、各段階での計算が必要で非常に複雑になるため、税理士への相談を推奨します。
これらの控除を適用し忘れた場合、後から申告できますか?▶
申告期限から5年以内であれば「更正の請求」によって払い過ぎた相続税の還付を受けられます。申告し忘れ・適用し忘れがあった場合は、税理士に相談の上、更正の請求書を税務署に提出してください。5年を過ぎると還付を受けることができなくなります。
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