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最新の法改正が相続にどう影響するか

最終更新:2025年3月 / 施行済み・施行予定の主要改正をすべて掲載

2018年〜2025年にかけて相続に関連する民法・税法が大幅に改正されました。特に「相続登記の義務化」「生前贈与の加算期間延長」「空き家特例の拡充」は実務に直結する変更です。自分のケースに影響する改正を確認しましょう。

すべての改正
今すぐ対応が必要
知っておくべき重要改正
参考情報・背景
2024年4月施行 施行済み
相続登記の義務化
相続開始を知った日から3年以内の申請が義務に。違反すると10万円以下の過料
改正前(〜2024年3月)
相続登記に期限なし。放置していても罰則なし。結果として全国で「所有者不明土地」が増大する社会問題に。
改正後(2024年4月〜)
相続・遺贈で不動産を取得した場合、相続開始を知った日から3年以内の相続登記が義務。違反には10万円以下の過料。
相続後に不動産を放置している場合、すでに義務化されています。2024年4月1日より前に発生した相続についても、2027年3月31日までに登記が必要です。「相続人申告登記」という簡易な手続きで暫定的に義務を履行できる制度も新設されました。
特に影響するケース
  • 親が亡くなり不動産を相続したが名義変更をしていない
  • 数十年前の相続で不動産の登記が放置されている
  • 遠方にある実家・土地の名義が古いまま
2024年1月施行 施行済み
生前贈与の加算期間:3年→7年に延長
暦年贈与の節税効果が縮小。2031年以降に死亡した場合から完全適用
改正前(〜2023年12月)
相続開始前3年以内の生前贈与は相続財産に加算して相続税を計算。それ以前の贈与は加算対象外。
改正後(2024年1月〜)
相続開始前7年以内の生前贈与が加算対象に拡大。ただし延長された4年分(4〜7年前)は総額100万円まで控除あり。
毎年110万円の暦年贈与による節税効果が縮小します。改正の影響は段階的で、2031年以降に相続が発生した場合から「7年分すべて」が加算対象になります。一方で「相続時精算課税制度」の年110万円の基礎控除が新設され(2024年〜)、こちらとの比較検討が重要です。
この改正で変わること
  • 毎年110万円の暦年贈与を始める場合は早期着手が有利(加算対象期間が7年になる前に贈与した分は対象外)
  • 相続時精算課税制度の年110万円非課税枠との比較が必要
  • 生前贈与の戦略を見直す必要がある(税理士に相談推奨)
2024年1月施行 施行済み
相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が新設
毎年110万円まで贈与税・相続税ともに非課税に。使い勝手が大幅改善
改正前(〜2023年12月)
精算課税を選択すると年110万円の暦年贈与の基礎控除が使えなくなる。2,500万円の非課税枠を超えると20%課税。
改正後(2024年1月〜)
精算課税でも年110万円の基礎控除が使えるようになった。この110万円は相続財産への加算対象外。災害で価値が下落した財産の再計算も可能に。
相続時精算課税制度の最大のデメリット(一度選択すると暦年贈与に戻れない・少額贈与でも申告が必要)が緩和されました。年110万円以内の贈与なら申告不要で、かつ将来の相続税にも加算されません。不動産など価値が変動する財産の贈与に特に有効です。
2024年1月施行 施行済み
空き家の譲渡所得3,000万円特別控除の拡充
適用対象が相続人3人以上の場合も2,000万円控除に(従来は3,000万円)。適用期限は2027年末まで延長
改正前(〜2023年12月)
相続した空き家を売却した場合、一定要件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除できる特例。売主が耐震改修または除却をしてから譲渡が条件。
改正後(2024年1月〜)
買主が耐震改修・除却する場合も特例適用可能に。相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円に。適用期限を2027年末まで延長。
相続した実家を空き家のまま売却する際の節税特例が使いやすくなりました。これまでは売主が耐震改修・除却をしてから売る必要がありましたが、買主が行う場合も対象になりました。実家の売却を検討中の方は要件を確認しましょう。
2023年4月施行 施行済み
相続土地国庫帰属制度の創設
不要な相続土地を国に引き渡せる新制度。管理費用負担は必要
改正前(〜2023年3月)
不要な土地(山林・農地・遠方の土地)は相続放棄か引き受けるかの二択。手放す手段がなく、管理負担・固定資産税が相続人に重くのしかかっていた。
改正後(2023年4月〜)
一定要件を満たす土地を法務局に申請し、審査を経て国に帰属させることが可能に。ただし10年分の管理費相当額の負担金(土地の種類により20万〜数十万円)が必要。
「相続したが売れない・使えない山林・農地・遠方の土地をどうする?」という悩みへの解決策として創設されました。ただし建物がある土地・担保権が設定された土地・境界が不明な土地などは対象外です。利用には司法書士・弁護士への相談を推奨します。
2023年4月施行 施行済み
相続放棄後の財産管理義務が緩和
「現に占有している財産のみ」に管理義務を限定。放棄後の負担が軽減
改正前(〜2023年3月)
相続放棄した場合でも、次の管理者が決まるまで「相続財産全体」について管理義務を負うとされていた。
改正後(2023年4月〜)
相続放棄した場合、「現に占有している財産」についてのみ管理義務が継続。遠方の不動産など占有していない財産の管理義務は消滅。
借金が多いケースで相続放棄を選んだ場合、従来は放棄後も全財産の管理義務を負う解釈がありました。改正により「実際に使っている・住んでいる財産だけ」に義務が限定され、相続放棄の選択がしやすくなりました。
2019〜2020年施行 施行済み
民法相続法の大改正(2018年改正)
40年ぶりの大幅改正。配偶者居住権の新設・遺留分の金銭化・預金の仮払い制度など
2018年に民法相続法が40年ぶりに大幅改正されました。主な内容は以下のとおりです。
主な改正内容
  • 配偶者居住権の新設(2020年4月〜):配偶者が亡くなった方の自宅に住み続ける権利を遺産分割で取得できる
  • 遺留分請求の金銭化(2019年7月〜):遺留分侵害は不動産などの現物返還ではなく金銭で解決するルールに変更
  • 遺産分割前の銀行預金払戻し制度(2019年7月〜):相続人が各金融機関の預金残高の1/3×法定相続分を仮払いできる
  • 自筆証書遺言の財産目録のパソコン作成を解禁(2019年1月〜)
  • 法務局による遺言書保管制度の創設(2020年7月〜)
2013年施行 施行済み
非嫡出子(婚外子)の相続分が嫡出子と同等に
最高裁違憲判決を受けた改正。認知された子は実子と同じ相続分に
改正前(〜2013年9月)
嫡出でない子(婚外子)の相続分は嫡出子の1/2と規定されていた。
改正後(2013年9月〜)
嫡出子と非嫡出子の相続分を同等にする改正。認知された子は実子と同じ割合で相続できる。
最高裁が「嫡出子と非嫡出子の相続分に差を設ける規定は違憲」と判断したことを受けた改正です。被相続人に認知した子がいる場合、現在は実子と全く同じ相続分が認められます。
以下の改正はすでに施行されており、今すぐ対応が必要または節税に直結する内容です。
相続登記の義務化 / 生前贈与の加算期間延長 / 相続時精算課税の改正 — 上の「すべての改正」タブで詳細を確認してください。
空き家特例拡充 / 相続土地国庫帰属制度 / 相続放棄後の管理義務緩和 — 上の「すべての改正」タブで詳細を確認してください。
2018年民法大改正 / 非嫡出子相続分の同等化 — 上の「すべての改正」タブで詳細を確認してください。

主要改正 施行タイムライン
2013年
非嫡出子の相続分が嫡出子と同等に
最高裁違憲判決を受けた民法改正
2019年1月
自筆証書遺言の財産目録PC作成が解禁
2018年民法改正の一部先行施行
2019年7月
遺留分の金銭化・預金仮払い制度が施行
2018年民法大改正の主要部分が施行
2020年4月
配偶者居住権が施行
配偶者が自宅に住み続ける権利を遺産分割で取得可能に
2020年7月
法務局による遺言書保管制度が開始
自筆証書遺言を1,400円で法務局に保管できる制度
2023年4月
相続土地国庫帰属制度の創設・相続放棄後の管理義務緩和
不要な土地を国に引き渡せる新制度が始まる
2024年1月
生前贈与の加算期間が3年→7年に延長・相続時精算課税に年110万円基礎控除が新設
節税に直結する重要な税制改正
2024年4月
相続登記の義務化(3年以内申請・違反で過料)
不動産を相続したら3年以内に登記申請が必要
2027年3月
過去の相続登記(2024年4月以前)の義務化猶予期限
2024年4月以前の未登記不動産もこの日までに登記が必要

改正に関するよくある疑問
生前贈与は今すぐ始めた方がいいですか?
早期着手が有利です。2024年から加算期間が7年に延長されましたが、2024年以前の贈与は旧ルール(3年加算)が適用されます。一方で相続時精算課税の110万円基礎控除も新設されたため、どちらが有利かはケースによります。税理士に相談の上、自分の状況に合った戦略を立てることを推奨します。
10年以上前に親が亡くなり相続登記をしていません。どうすればいいですか?
2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。過去の相続でも義務化されています。長期間放置している場合、相続人が増えていたり(子の代まで相続が発生)、必要書類が複雑になるケースが多いため、早めに司法書士に相談することを推奨します。
相続土地国庫帰属制度で土地を国に渡せますか?どんな土地が対象ですか?
すべての土地が対象ではありません。建物がある土地・担保権が設定されている土地・境界が不明確な土地・土壌汚染がある土地・争いがある土地などは対象外です。対象となる場合でも10年分の管理費相当額(農地・原野は20万円、市街地は面積で計算)の負担金が必要です。利用を検討する場合は法務局または司法書士に相談を。
「法改正が自分の相続にどう影響するか確認したい」
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