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相続税申告の手続きと必要書類
相続税申告の手続きと必要書類
10ヶ月以内に申告・納税を完了させる
相続税の申告・納付期限は、相続開始を知った日から10ヶ月以内です。期限を過ぎると無申告加算税・延滞税が課税され、重要な特例も使えなくなります。早めに税理士を選定し、余裕を持って進めましょう。
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申告の手順 7ステップ
1
相続税専門の税理士を選定・依頼する死亡後すぐに
相続税申告は税理士への依頼が実質必須です。特に不動産評価・特例の適用・節税策の検討には専門知識が不可欠です。早期依頼(死亡後1〜2ヶ月以内)で余裕を持って進められます。相続税専門の実績があるか確認しましょう。
2
財産・負債の全体を把握する(財産目録の完成)
不動産・預貯金・株式・保険・借金など全財産を把握し財産目録を完成させます。税理士への資料提出の基礎になります。相続開始日時点の評価額を各機関から取得します。
3
遺産分割協議を完了する特例適用に必須
「配偶者の税額軽減」「小規模宅地等の特例」など主要な特例は、申告期限までに遺産分割が完了していることが適用要件です。分割が確定してから申告内容を最終決定します。
4
必要書類を収集・整理する最も時間がかかる
戸籍謄本・残高証明書・登記事項証明書・固定資産評価証明書・各種控除の証明書など大量の書類が必要です。取得に時間がかかるため早めに着手しましょう。
5
税理士が申告書を作成する
財産評価・各特例の適用・税額計算・申告書の作成を税理士が行います。内容を確認し各相続人が署名・押印します。
6
申告書を税務署に提出する10ヶ月以内
被相続人の住所地を管轄する税務署に申告書・添付書類を提出します。e-Taxでの電子申告も可能。相続人が複数いる場合は、全員分を一括して申告書を提出するのが一般的です。
7
相続税を納付する同日までに
申告と同じ期限(10ヶ月以内)までに納付します。現金一括納付が原則。現金が不足する場合は「延納(最大20年)」または「物納(不動産等による納付)」の選択肢があります。
申告に必要な書類一覧
共通書類(全員必要)
不動産がある場合
金融資産がある場合
特例・控除を使う場合
| 書類 | 必要性 | 取得先・備考 |
|---|---|---|
| 被相続人の出生〜死亡の戸籍謄本一式 | 必須 | 各本籍地の役場。郵送請求可。 |
| 被相続人の住民票の除票(本籍記載あり) | 必須 | 最後の住所地の役場。 |
| 相続人全員の現在の戸籍謄本 | 必須 | 各相続人の本籍地役場。 |
| 相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内) | 必須 | 各相続人の住所地役場。 |
| 遺産分割協議書(実印押印済み) | 必須 | 分割完了後。未分割の場合は申告時点で添付不要だが特例使用不可。 |
| 遺言書(ある場合)・検認済証明書 | ある場合 | 公正証書遺言は謄本。自筆は検認済みのもの。 |
| 葬儀費用の領収書・明細書 | 必須 | 債務控除の根拠。お布施はメモでも可。 |
| 債務(借入金・未払税金)の証明書類 | ある場合 | 金融機関の残高証明・税務署の未納証明など。 |
| 書類 | 必要性 | 取得先・備考 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(不動産全件) | 必須 | 法務局。オンライン請求可(480円/通)。 |
| 固定資産税評価証明書 | 必須 | 市区町村役場。相続開始年度のもの。 |
| 固定資産税納税通知書 | あれば | 評価額の確認用。 |
| 地積測量図・公図 | 必要に応じ | 法務局。不整形地・がけ地などの評価減に使用。 |
| 賃貸借契約書(賃貸不動産の場合) | 賃貸の場合 | 貸家建付地・貸宅地の評価減に必要。 |
| 住宅ローン残高証明書 | ローンある場合 | 金融機関に請求。団信加入の場合は完済確認書も。 |
| 名寄帳(全不動産一覧) | 確認用 | 市区町村役場。漏れ防止に有効。 |
| 書類 | 必要性 | 取得先・備考 |
|---|---|---|
| 預貯金の残高証明書(相続開始日時点) | 必須 | 各金融機関に請求。手数料1,000円程度。 |
| 定期預金の既経過利子明細書 | 定期預金ある場合 | 金融機関から取得。 |
| 株式・投資信託の残高証明書 | 証券資産ある場合 | 証券会社。相続開始日時点の評価額を確認。 |
| 生命保険金支払通知書(保険証書) | 保険ある場合 | 保険会社から送付。みなし相続財産として申告。 |
| 死亡退職金支払通知書 | 退職金ある場合 | 勤務先から発行。みなし相続財産として申告。 |
| 暗号資産の残高証明・取引履歴 | ある場合 | 各取引所から取得。相続開始日の最終価格で評価。 |
| 書類 | 適用特例 | 取得先・要件 |
|---|---|---|
| 相続開始前後の住民票(配偶者・同居親族) | 小規模宅地 | 申告期限まで居住継続の証明に使用。 |
| 被相続人・取得者の戸籍の附票 | 小規模宅地 | 家なき子特例など。本籍地役場で取得。 |
| 介護保険被保険者証・障害者手帳 | 小規模宅地 | 老人ホーム入居者特例に必要。 |
| 婚姻期間20年以上を示す戸籍謄本 | 配偶者控除 | 婚姻年月日の確認用。通常の戸籍謄本で確認可。 |
| 農業委員会の証明書 | 農地特例 | 農業の継続証明。農地の相続に必要。 |
| 非上場株式の会社の決算書・議事録 | 事業承継 | 直近3期分の決算書が必要。税理士が評価。 |
申告時に使える主要な特例・控除
配偶者の税額軽減
配偶者が取得した財産が1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い方まで相続税ゼロ。申告期限内の遺産分割が条件。
最大:全額非課税
小規模宅地等の特例
自宅(330㎡以内)の評価額を最大80%減額。事業用地(400㎡以内)も80%減額。同居・家なき子など要件あり。
最大:評価80%減
未成年者控除・障害者控除
未成年者:(18歳−相続時の年齢)×10万円を控除。障害者:(85歳−相続時の年齢)×10〜20万円を控除。
申告書に記載で自動適用
相次相続控除
10年以内に2回相続が発生した場合、前回の相続税の一部を控除できる。二次相続が多い場合に有効。
10年以内の二次相続に適用
相続税の納付方法
現金一括納付(原則)
期限(10ヶ月以内)までに現金で一括納付。金融機関・コンビニ・e-Taxで納付可能。最も一般的な方法。
延納(分割払い)
現金納付が困難な場合、最大20年の分割払いが可能。利子税が発生。担保の提供が必要。申告期限までに申請。
物納(不動産等で納付)
延納でも困難な場合に限り、不動産・有価証券などで納付可能。申告期限までに申請。物納できる財産の種類・順位あり。
申告・納税の注意点
-
期限超過のペナルティは重大無申告加算税15〜20%・延滞税(年利2〜14.6%)・重加算税(意図的な場合は40%)が課税されます。また配偶者控除・小規模宅地特例など主要な特例が使えなくなります。
-
税理士選びは「相続税専門」かを必ず確認する一般の税理士でも相続税申告は対応できますが、不動産評価・特例の適用・節税策の検討は専門性の差が大きいです。「相続税申告の年間件数・不動産評価の実績」を確認して依頼しましょう。
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税務調査の可能性を把握しておく相続税申告後、約20〜30人に1人の割合で税務調査があります。特に現金・預貯金・不動産の漏れが調査対象になりやすいです。正直な申告が最大の防衛策です。
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申告後も修正・更正の請求ができる申告後に財産の漏れや評価ミスが発覚した場合、税額が増える場合は「修正申告」、減る場合は「更正の請求」(申告から5年以内)ができます。発覚したら速やかに対応しましょう。
よくある疑問
相続税申告を税理士に依頼した場合の費用はいくらですか?▶
税理士報酬の相場は遺産総額の0.5〜1%程度です(最低報酬20〜30万円程度)。遺産1億円なら50〜100万円が目安です。不動産が多い・相続人が多い・特殊な財産があるケースでは割増になる場合があります。複数の税理士に見積もりを取って比較することを推奨します。
相続税の申告書は自分で作れますか?▶
法律上は本人申告も可能ですが、財産評価(特に不動産)・各特例の適用要件・節税策の検討は非常に複雑です。自己申告で特例を使いそびれると数百万円以上の損失になることがあります。不動産がない・遺産が預貯金のみ・特例が不要という単純なケース以外は税理士依頼を強く推奨します。
遺産を相続しなかった相続人も申告が必要ですか?▶
相続を放棄した相続人は申告不要です。遺産分割で財産を取得しなかった相続人も原則として申告不要ですが、生命保険金(みなし相続財産)を受け取った場合はその分について申告が必要になる場合があります。また小規模宅地等の特例などは申告によって初めて適用されるため、取得財産がゼロでも特例適用のために申告が必要なケースがあります。
申告期限ギリギリになってしまいました。どうすればいいですか?▶
まず税理士に緊急で連絡してください。書類が不完全でも、とりあえず申告書を提出することが最優先です(後から修正申告が可能)。期限を1日でも超えると無申告加算税が発生します。書類収集が間に合わない場合でも、概算での申告→後日修正という対応が可能です。今すぐ税理士に相談してください。
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